NO.71 痩せすぎの中高年は認知症のリスクがUP
ビールの美味しい夏場になると、いつも体重が増え、夏痩せならぬ夏太りになってしまいます。ビールも含め水分摂取が増えるせいか、夏はむくみも気になります。
還暦を過ぎると、あまり体重の変動を意識しなくなり、お風呂上がりに体重計に乗ることも少なくなりましたが、なんとなく身体が大きくなったように感じて久しぶりに体重計に乗ってみたところ、かつてない体重の数値を目の当たりにして、ショックを受けています。
春先から始めた筋トレの効果もあるのか…?と思いたいところですが、運動をすると食欲も増し、筋肉が増えただけとは考えにくそうです。
中高年の体型は「中年太り」と「痩せ型」に分かれる
ウィンドウショッピングをしていても、マネキンはスリムでどんな洋服もかっこよく着こなしていますし、最近の若い女性は、背も高いし足も長いし、しかも細い!マネキンと同じように素敵に洋服を着こなす人が多いですね。
私が20代の頃とは、人種が違うのかと思うほどです。
雑誌やテレビでも、ダイエットの文字を見ない日はなく、特に夏前になると目に飛び込んでくる確率は増えます。
否応なしに、痩せないといけないような暗示にかかりそうになるわけですが、さすがに還暦も過ぎると、「ま、いいか~」という気持ちが強くなってきます(笑)
中高年を過ぎると、体型はわりとわかりやすく分かれるのかもしれません。
いわゆる中年太りといわれる体型に陥る人、洋服の中で身体が泳いでいるような痩せ型の人。
どちらかといえば、肥満タイプより痩せ型の人の方が健康的な気がします。お腹ぽっこりは内臓脂肪が多そうで、臓器にも足腰にも負担がかっかっていそうな印象を受けてしまいます。実際に、肥満タイプでお薬を多く服用されている人も多いのではないでしょうか?
痩せ型の人の方が認知症のリスクが高い…?
中高年になると運動量も減るし、特に女性の場合、じっとしてテレビを観ながら間食をしているということを良く聞きます。「痩せないと~」という口癖の割に、「本当はそんな気はないのでは?」と思われるような生活習慣の人もいますよね。
ですが、朗報(?)があります!
ロンドン大学の研究チームが、平均 55歳のイギリス人約 200万人を対象とした大規模な統計的調査を行ったところ、
・痩せ型の人(BMI 20未満)の認知症リスクは他よりも「34%高かった」
・超肥満体の人(BMI 40以上)の認知症リスクは他よりも「29%低かった」
というデータが出ました(2015年4月データ)。
今まで考えてきた健康の概念とは180度違う結果といえそうです。
痩せていることではなく「自分に合った健康な身体」が美しい
しかし、「じゃあ、太っている方がいいのでは?」といった安易な考え方はできません。
太っていれば、高血圧や高脂血症、糖尿病などで、死期を早める点を忘れてはいけないと思います。
ただ、ダイエットという文字に振り回されている私たちは、中高年になってもその呪いからなかなか解放されることがなく、年齢を重ねてもスリムでいることを意識する人が多くなっているように感じます。
痩せていることが「美しい」との価値観が一般的なようですが、将来の認知症のリスクの増加にも関係するかもしれませんので、自分に合った健康な身体が「美しい」ことを若い時から認識しておくことが必要であると思います。
BMI値について
BMI(ボディー・マス・インデックス)とは、体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数です。
BMI=体重kg÷(身長m)2 *身長の2乗
適正体重=(身長m)2×22 *身長の2乗
筋肉は、脂肪より重く、かさが低いので、体重が多くても見た目は太っていない人もいます。
BMI18.5~25未満が普通体重(理想体重)といわれていますが、そんな数値だと太って見えると思う人もいますが、筋肉がしっかりついている身体は、見た目はそれほど太っていなくても体重が重くなります。
理想の身体は、筋肉量が多い身体だといえます。
山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。