NO.68 腰痛・膝痛は治すことができる
年齢が上がるにつれて、腰痛や膝痛に悩む方は増えていきます。腰痛や膝痛を緩和するために鎮痛剤や湿布を用いているという方も多いのではないでしょうか?
今回は、腰痛・膝痛の根本的な治し方についてアドバイスいたします。
健康のために始めたテニスで膝痛と腰痛に
私自身、腰痛も膝痛も経験し、長年つらい思いをしてきました。
私は40代も後半になってからテニスを始めました。年齢を重ねてからスタートした初めてのスポーツで、楽しくて続けてはいましたが、それまでスポーツらしいスポーツをしていなかったので、あちこちを痛めるはめになりました。
はじめは足首、そして肘。
次は膝痛。膝は以前に痛めたことがあったため、負荷がかかるスポーツでまた悪化させてしまいました。
最後は腰痛。
これは治ったと思えば再発することの繰り返しでした。湿布を貼ったり、整体に通って治療をしていましたが、ちょっと無理をすればまた傷みだす始末でした。
毎回、あちこち痛めるたびにテニスを中断しなくてはならなくなり、それでなくてもなかなか上達ができないのに、本当につらい思いばかりしていました。
そんな思いをしながらも10年以上が経ち、足首や肘の痛みはなくなりましたが、膝痛と腰痛はどうしてもすっきり治ることがなく、痛みを繰り返すばかりでした。
1時間ちょっとを週1~2回のテニスでは、なかなか筋力はつかないのかもしれません。
夜中に痛みで目が覚めたり、朝はベッドからすぐには立ち上がれないなど、健康のために続けているテニスなのに、逆に体を痛めているような気さえしていました。
でも、楽しさが上回っていたので止めずにいたのだと思います。
スクワットとストレッチでつらかった痛みが軽減
その私が、現在は整体に通うこともなく、湿布もまったく使用することがなくなりました。
痛みはなくなり、朝もスムーズに活動ができています。
それは、スクワットとストレッチのおかげです。
膝痛と腰痛の原因は、太ももとお尻の筋肉の低下だといわれます。
年齢を重ねると、お腹はポッコリ出てくるのに、お尻と太ももの境い目にシワが寄り、お尻の筋肉は落ちてくるために、お尻はペッタンコになっていきます。温泉などに行くと、年配の方でなくてもお尻のお肉がそげ落ちてしまっている女性をよく見かけますが、太ももとお尻の筋肉がない方なら男性でも同じようになるでしょう。
私は、いつまでもテニスをしたいのと、膝痛、腰痛を起こしたくないので頑張ってトレーニングを行っています。 まずは軽く足踏みでもウォーキングでも良いので、体全体の血流を上げ、スクワットを行います。初めから深いスクワットは難しかと思いますが、続けていくとできるようになります。
そして、ストレッチもとても重要です。腰痛や膝痛は、太ももの筋肉が硬くなってきていることが原因のことがあるので、ほぐしていくことも効果的です。
椅子に腰かけて、太ももの下にボールを置き、ゴロゴロと動かします。使うボールはテニスボールがちょうど良い硬さなので、用意できれば使ってください。
寝ころんで、太もものサイドや前の部分も、ボールを下にして自分の体重をかけながらゴロゴロと動かし、筋肉をほぐしていきます。
いくつになっても努力すれば必ず体は応えてくれる
私たちの体はすべてつながっているので、太ももの筋肉が硬かったり低下していると、歩いたり階段を上がったりする時に腰や膝の腱を引っ張ってしまいます。それが腰痛や膝痛の原因になります。筋肉が低下せず柔軟であれば、腰痛、膝痛は起きにくくなるのです。
私は、気がつけば少しでもスクワットとストレッチをするようにしています。テニスボールでの筋肉ほぐしは、テレビを見ながらでもできるので、行いやすいと思いますよ。
痛みが出るとすぐに薬に頼る人が多いようです。特に年齢を重ねてくれば、自分で何かを行うのが億劫になるのかもしれません。
ですが、私が知っている80代のある女性は、毎日、カーブス(いろいろな機械が円状に設置されていて、音楽に合わせて1、2周行うスポーツジム)に通われています。膝の痛みで歩けなかった足が、今はまったくスムーズに動けるとのこと。
その方曰く、自分の体は自分で守らないとダメ。寝ころんでテレビを観てる暇があったら、私は体のことを考えて運動をしに行くとおっしゃっていました。「すごいな~」と尊敬のまなざしでお話をうかがいました。
年齢を重ねて痛みがあれば、運動なんて考えもしないかもしれませんが、できる範囲で徐々に動いて続けて行けば、体は改善できるのだと教えられました。
言うのは簡単だけど、長く続けることは本当に難しいことです。いくつになってもどんな状態からでも、自分の体ときちんと向き合って努力していけば、必ず体は応えてくれます。そうすれば痛みもなくなるのだと実感しています。
山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。