NO.63 自分に合わない生き方

赤い花

60年も生きていると、いろいろなことを経験します。いろいろなタイプの人にも出会います。

日々の出来事の中で落ち込んだり喜んだり、他人によるちょっとした言動で傷ついたり、影響されることもたくさんあります。

「嫌なことなんて、きっと誰にでもあるから我慢しないと…」
「嫌なことを乗り越えるから、次があるんだ…」
「こんなことでへこたれていてはいけない…」

そう思って自分にカツを入れる人も多いと思います。

たくさんの経験の中で、私たちは学びながら生きています。
しかし、ときには嫌なことから逃げることも必要なのかもしれません。

この世に誕生した意味とは?

この世に誕生したのは、魂レベルを上げるためと聞いたことがあります。前世で成長しきれなかった魂を現世でいろいろな困難にぶつかりながら成長させている、といった意味のようです。
これを聞いてから、何か嫌な出来事が起きると「何を学ばないといけないのかな~」と考えることがあります。

中島芭旺(なかしま・ばお)君と言う11歳の男の子がいます。わずか9歳で本を出版しました。

芭旺くんの著書『見てる、知ってる、考えてる』は、日本で発行部数17万部を超えるベストセラーになったそうです。
読んでみると、言葉に力があって、どんどん胸に伝わってきます。本当にすごいなあと感心するばかりです。

魂レベルには大人も子供もない気がします。まったくなっていない大人もたくさんいる中で、彼の悟りを開いたような言葉には尊敬の念を抱きます。

嫌な出来事を我慢することは、本当に人を成長させるのか?

著書から、彼の言葉をいくつか紹介します。

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自分で自分をいじめなくなって
自分を大切にしはじめたら、
僕をいじめるひとはいなくなった。
僕が僕をあつかうように
人は僕を扱って
人はそれを教えてくれる。
僕も、人に優しくなれる。
それを、人は教えてくれる。
それを、友達は教えてくれる。
僕も、友達に優しくなれる。

こわかったけど勇気を出してやめた
こわかったけど勇気を出して逃げた
そして僕はあることに気づいた。
僕をいじめていたのは僕だったってことに。
行きたくないところに行って
やりたくないことをやる
そうやって僕を毎日毎日いじめていたのは僕。

「自信がある」
僕にとってそれは何かがうまくできるって事じゃ無い
うまくできてもうまくできなくても
そんな僕を僕が受け入れると決めているということ
できない僕、かっこ悪い僕
それでも僕が僕を大切にできる
それが僕の自信

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嫌な出来事は魂レベルを成長させるためにあるとずっと思っていました。
だから、我慢して乗り越えれば何かが見えるのだと…

でも、今は芭旺くんの言葉のように、自分を大切にすることが自分のパワーを最大限に発揮させるには一番重要なことだと信じています。
自分が傷つきながら生きることは、自分にとってプラスにはなりません。プラスにならなければ魂の成長もありえないのです。

「自分が心地よくいられる」生き方を探そう

芭旺くんの言葉のを借りるならば、自分を大切にするには、すべての自分を信じて受け入れることが必要になります。

「これがなくなったらどうしよう」
「ダメになったらどうしよう」
「嫌だと思われたらどうしよう」

そんな不安は自分をがんじがらめにして、今の場所から動くことをできなくさせてしまいます。
どんな自分も信じて、どんな選択もベストだと信じることです。
選択の基準は「自分が心地よくいられるかどうか」

自分に合わない生き方は、自分をいじめる生き方でもあります。
自分を大切にするには、離れる勇気や変える勇気が必要かもしれません。
でも、そうすれば、わくわくする自分をみつけることができ、それが魂の成長につながるはずです。

ため息が多い人、ストレスで押しつぶされそうに感じる人は、自分をいじめていませんか?
自分に合わない生き方は、すぐに止めた方が良さそうですね。

山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。