NO.55 薬に頼り過ぎることは自分の体を放棄したこと
薬は病気や怪我を治療するために、試行錯誤を重ねて作られたものです。
体を休めたり食事に気をつけてもなかなか良くならない場合に、何か良くなる方法はないのかと考えた挙句にできたのだと思います。
今回は、身近になった「薬」の使い方について、ここでもう一度考えてみたいと思います。
「薬」は、最後の砦だったはず
本来は、自然界にある草木を煎じたり、細かくしたり、いろいろな方法で効果があると思うものだけが引き継がれてきたはずです。
ですが、現代の薬はちょっと考えが異なってきているような感じがします。
昔と同じように自分で体を治そうと試みた後に薬を用いるのではなく、現代はすぐに薬に頼ってしまいます。
薬はすぐに効くものだとの信じ込みもあります。また、薬が病気を治してくれるものだと考えている方もいます。自分の体なのに、自分で責任を取らずに、まずは薬に頼ることから始めるようになっているような気がします。
生活習慣病では、薬を飲む前になすべきことがある
生活習慣病といわれる病気は、高血圧や高脂血症、糖尿病、痛風や高尿酸血症などがあります。
これらの病気は、一度発症すれば長期での薬が投与されることが多いと思われます。
遺伝的な方もおられますが、自己責任のもとに発症された方がほとんどではないでしょうか?
糖尿病は、遺伝的な1型に比べ、後発的な2型は95%にも及びます。 遺伝的な要素も多少あるとは思いますが、過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣によって発症します。
薬を飲むようにドクターにいわれる前に、自分で気づくことがあるはずです。
体重が増えた、体が重い、運動不足で動くと疲れやすいなど、体の変化に気づくことに目をつぶってきたのではないでしょうか?
ドクターから検査値が引っかかっているといわれ、自分で改善しようとすることなしに、いわれるままに薬に頼ることは、体を治そうとすることを拒否してしまったように感じます。
体とのつきあい方は、人間関係と似ている
人との関係でも、相手のことを思い気にかけると関係が良くなります。
植物でも動物でも、お世話することで気持ちが通じて応えてくれるようになります。
体も同じことがいえると思います。心と体は同じ場所に所属しているせいなのか、あまり体のことを意識しません。 ですが、心が感じていることに体はその通りに反応します。信じて治そうと努力しているか、人任せにしているかで、結果は大きく違ってくると思います。
薬を飲んで症状が治まるのは、強制的に症状を抑えているに過ぎない
薬を飲むことが悪いというのではなく、まずは治そうとしているかどうかが問題だと感じるのです。
薬で症状が治まっていればそれで良いと思う人があまりにも多いですね。
それは病気が治ったのではなく、強制的に症状を抑えているに過ぎないことを自覚できていないのです。
薬だけに頼ることは、自分の体を放棄していることになります。
体を放棄している人は、病気が治ることからどんどん遠ざかってしまっています。
薬で抑えて検査値が低ければそれで良いのではなく、根本的に体を改善しようとしない限り、病気が治ることはありません。
定期的にお薬をもらって安心している方は、ぜひ自分の体に目を向けて敏感になってほしいと思います。
薬を飲んでいれば安心ではなく、自分が改善できることを進んで行うことが、自分の体が自分の望むように改善できる道だと考えます。
山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。