NO.53 あなたの飲んでいる薬は本当に必要ですか?
最近、親戚と会うことがありました。
たまたま薬の話になったのですが、薬を安易に飲んでいる人が多いことに驚かされました。
その人は降圧剤を飲んでいました。ほとんどの人がそうだと思いますが、基準値を少し超えた時に、ドクターから飲んだ方が良いと言われるので、それを受け入れて飲むことになったそうです。特に自覚症状はなかったものの、もう何年も飲んでいて手放せないのだとか。
高血圧の基準値は、40~50も下げられている
以前のメールマガジン「飲み続けてはいけない薬」にも書きましたが、血圧の基準値は、昔の基準から40~50も下げられています。1987年の高血圧の基準値(正常値)は180mmHgだったのです。現在は年齢に関係なく、基準値(正常値)は、130~140mmHgになっています。これによって高血圧の薬は6倍以上も売れるようになりました。
製薬会社もボランティアではなく商売なのはわかりますが、あまりにも基準値を下げ過ぎていないのでしょうか?
血圧が高いといわれて、皆さんは何を想像しますか?
脳梗塞や脳出血が心配という方が多いと思います。この恐怖を回避するために、降圧剤を飲まないといけないと考えます。高血圧になると、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などを引き起こすイメージが膨らみます。ドクターからの一言で、ほとんどの人が飲み始めることになります。
降圧剤のデータ改ざん事件もどこ吹く風の降圧剤市場
現在、高血圧症の患者さんは、全国で約4,000万人にもなると推定されており、日本で最多の病気といわれています。
降圧剤のジェネリックのお薬も非常に多く出ており、降圧剤ビジネスの市場は1兆円規模にもなっています。
2013年にノバルティスファーマ社の降圧剤ディオバンが、データ改ざんをしていた事件がありました。効果を水増ししていたため、降圧剤の信用は失われたかに思えました。
しかし、そんな事件はなかったかのように、降圧剤を飲む人はまったく減るどころか逆に増えているようです。
しかも、一度飲みだすと止めない人がほとんどですよね。止めることができないのです。 止めてしまう=脳梗塞や脳出血、心筋梗塞と考えてしまうからです。
年齢とともに血圧が高くなるのには、きちんと理由がある
年齢とともに血圧が高くなるのには理由があります。
血管の弾力が悪くなったり、血管内も小さな血栓ができていたりします。臓器の血流も悪くなっています。
血圧をあげることで、隅々にまで血を届けるのが、体の持っている自然な反応なのです。 これを降圧剤で下げてしまうことで、逆に血栓が押し流されずに脳梗塞を起こしやすくなったり、脳への血流低下により認知症が増えているともいわれているのです。
体は血流量を維持するために、圧をかけて血液を押し流し、硬い血管を広げようとしてい、ます。それを無視して薬を飲むことで、別の病気のリスクを上げてしまいます。
何の自覚症状もなければ、まずは食事や運動など生活習慣を見直すことから始めるべきです。すぐに薬に頼ることは、逆に病気へと体を導いてしまう可能性が高くなります。
薬は病気を治すものではありません。症状を抑えるためのものです。
ですから、根本的な体の働きを見直さない限り改善することはないのです。
体に起こるどんな症状にも必ず意味があります。そして私たちには、健康にいつも保とうとする自然治癒力が備わっています。まずはその意味を考えて、すぐに薬に頼るのではなく、体自体を自分で改善することが先決です。 自分の体は自分で責任を持つことが、健康で長生きするためには最も重要なことです。
山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。