NO.50 便利から生まれる大きな弊害

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今年は寒い冬になるのでしょうか?例年より寒くなるのが早い気がします。

私が子供だった頃より現在は本当に便利になりました。家庭の中では、動かなくて済むように(?)リモコンが増えました。トイレもしゃがむことなく、ウォシュレットや温かい便座まであります。

昔よりも気密性が高い家に住んでいるにも関わらず、暖房機の性能は優れ、真冬でも家の中は常夏気分です。

コンビニがすぐ近くにあり、チンするだけのお惣菜やお弁当がたくさん並んでいます。食生活も大きく様変わりしていますね。今まで調べることが大変だった事柄は、スマホで簡単に調べることができるし、どこにいても連絡を取り合うこともできます。

たくさんの便利なものに囲まれて、暮らしやすくなったのかもしれませんが、では良いことずくめなのでしょうか?

手間暇かけた料理と同じ味を低価で再現するコンビニご飯

コンビニの食べ物は美味しくできています。コンビニ開発者の方は、人気のお店に近づけるように同じような味を下請け業者さんに頼むのだとか。業者さんは、安い金額で美味しいものを作ることを望まれるわけです。

手間暇をかけた人気の料理は、たくさんのうまみや栄養分が含まれています。安く作るためには同じように手間暇はかけられません。少しでもそれに近づけるためには、大量の添加物で味がつけられています。だから手間暇をかけたお料理よりも安く上げることができるのです。同じような味だから美味しいと食べているけれど、栄養分なんてほとんどないに等しい食べ物に変わり、その上に体にマイナスになるものもたくさん含まれています。

成長期の子供たちは、体に必要な栄養素を取り込んで体が作られます。ジャンクフードでは、必要なものが不足するばかりか不要なものを取り込んでしまいます。それらはすぐに体に表れないにしても、必ず影響があります。

長い間、添加物に慣らされてきた私たちの味覚は、本当の食材を見分けられなくなっているように思います。

現代には和式トイレを使えないお年寄りが増えている!?

年齢を重ねると、運動機能の低下をきたし「ロコモティブシンドローム」になる人が増えてきます。膝や股関節などの関節に支障が出やすく、歩くのが困難になったり、悪化すると寝たきりになってしまいます。これらは関節の老化もありますが、筋肉の低下がそもそもの原因です。太ももやお尻の筋肉を使わないために衰えてしまい、歩くためにそれらの筋肉をうまく使えずに、直接関節にトラブルが起きてしまうのです。

歩いたり動くことが少なくなった現代人は、筋肉がどんどん低下する一方だと思います。
和式トイレでは毎日スクワットをしている状態で、知らず知らずのうちに太ももやお尻の筋肉を使っていました。
今では、しゃがむことができずに和式トイレを使えないお年寄りも多いと聞きます。

昔より見た目は若くなっても、体の老化は進んでいるのかもしれませんね。

今の若者は、筋肉ができていない…

それ以上に心配なのが現代の若者です。

あるトレーナーが、今の若者は筋肉を使えていないし、筋肉ができていないと嘆いていました。スポーツをしていても、体全体の筋肉がスムーズに使えないようです。

踏み込む力や踏ん張る力、腰を回転させる力、体を支える体幹などが、驚くほどないとおっしゃっていました。そのために怪我が多いし、一定のレベル以上になると伸び悩むのだとか…。

筋肉や骨など体の基本を作るべき年齢時に、ダイエットで食事量を減らしたり、テレビゲームで活動量が減ってしまい、体がきちんと作られていないことが原因です。

日常で使っていた筋肉を使わなくなったことや、必要な栄養素が摂取できないばかりか、不要なものを多く取り過ぎているせいでもあります。

現代人は便利なものに振り回されている?

スマホは確かに便利です。どこにいてもすぐに連絡が取れることは有難いことでもあります。私が若い時代、友人との待ち合わせは改札口か喫茶店でした。待ち合わせ時間に来なければ連絡の取りようがなく、延々と待たされることもしばしばでした。

今の若者は、ある程度の時間と場所を大雑把に約束し、近くに行けば電話やLINEで相手を探すのだそうです。そういえば、昔は改札を出たところに「伝言板」があり、どこどこにいるなどと伝言を残した記憶があります。なんか大昔の化石のような話ですね(笑)。

便利なスマホは、知らなくても良いことまで知ってしまうこともあり、自分を追い詰めたりいじめの原因になったりもしています。片時も話さずにスマホを眺めている若者がほとんどですよね。面と向かって人と話さないで、スマホでの会話が多いのでしょうか?

現代人は、便利なものに振り回されている気がします。
便利なものは、自分がコントロールすることでその価値は生きてくるものだと思います。振り回され、本来の自分からかけ離れることは、決してプラスにならないことをもっと意識しなければいけないのではないでしょうか?

山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。