サプリメントメッカ・アメリカのWatcher Report

留学してはや五年が経とうとしている今日このごろ。

留学の醍醐味のひとつは、そんな国の一般家庭をホストファミリーとして、内側から観察できることだと思います。

私が今いるのは、サプリメントのメッカ、アメリカ合衆国。

ごく普通のアメリカ人たちは、実際どれくらいサプリメントに対して興味をもっていて、その摂取を生活の一部としているのでしょうか。

例えば、数年前までカリフォルニア州のサンディエゴ市に留学していたT君(当時22)のお話。

彼はクリスとオルガという、65歳前後の老夫婦のところにホームステイしていました。

早朝の授業を取っていたT君は、毎朝6時に起きて急いで用意されていた朝食を取る生活をしていたそうです。

たいていテーブルの上に並んだものといえば、パン、卵、そしてポテト。

それから、色とりどりに並んだビタミンCやE,そのほか鉄分やカルシウムのサプリメントの瓶だったといいます。

高血圧と肥満が深刻のクリスのため、毎朝一緒にウォーキングの運動に出かけるこの老夫婦。

それでは食事にはたいそう気をつけているのかときくと、「よるご飯はたいがいバーベキューやほかの肉料理だった」とT君は答えます。

「特にクリスは、毎晩必ず赤ワイン、しかも甘いものを少なくとも一本僕と一緒にあけることを楽しみにしていたよ。」半年ほど前、アリゾナ大学医学部の教授が、サプリメントについての特別講義のため特別ゲストとしてやってきました。

その内容によれば、52%以上のアメリカ人が定期的にサプリメントを取り、たまには取る人を合わせると実に75%以上にも及ぶそうです。

それでは、そんなアメリカ人たちは、日ごろから健康に気を使った生活習慣をもっているのか、といえば、先ほどのクリスやオルガのような家庭も多そうです。

彼らはあまり野菜類をそくせんして食べていたわけでもないけれ、サプリメントは何種類かそれも朝に取っていたようです。

日本に比べアメリカ社会では、もっとサプリメントは身近な存在であると思います。

しかし、だからといってアメリカ人の生活がより健康的か、と簡単に言えるわけではなく、どちらかと言うと、不健康な食生活に対する罪の意識は高そうです。

私の印象では、多くのアメリカ人は、そんな食生活をまさに「補う = supplement」ために、サプリメントを取り、「はい、これで大丈夫ね」と安心したがっているような人が多いように見えます。

私の友人は「サプリメントで補わないとやっていけないのよ、アメリカの生活は」と皮肉っていました。