NO.43 まだ気がつかない…

マーケットに並ぶ野菜

朝早くに繁華街を通ると、あちこちのゴミ箱がいっぱいになっています。

前日の残飯ですよね。1店舗でも結構な量ですから、これが全国となるとどれほどの量になるのか…。

家庭のごみもかなりの量です。食べ残しなど、破棄する食材がけっこうあります。

「消費期限」や「賞味期限」が食品廃棄を後押ししている!?

日本では年間1,900万トンの食品廃棄物が出ています。世界でもトップクラスのこの量は、約5,000万人が1年間食べていける量だそうです。そのうちまだ食べられるものが500~900万トンもあるといわれています。もったいないにも程がありますよね…。

日本の食品自給率は低く、海外からの輸入に頼っています。それなのにこんなに無駄にしているわけです。コンビニでは消費期限の2時間前にはレジを通過できなくなり、自動的に破棄されるそうです。まだまだ食べることができるお弁当も捨てられる運命にあります。

昔は表示されていなかった「消費期限」や「賞味期限」、これがあるためにまだ使える食材もどんどん捨てられています。昔は料理するお母さんの臭覚や味覚などにより、まだ使える食材であるかどうかが判断されていました。今は自分の感覚を使わずに、すべて指示されている表示に頼っています。

化学肥料や農薬、添加物は体に蓄積されてしまう

破棄されるから、もっと作る、そしてまた破棄される…。

食べるために作っている農産物がビジネスと化し、売るためなら何でもありという状態になっています。少しでも多く売るためには枯らさないことが必要となり、早く成長させて多量に作るために化学肥料や農薬がバンバン使われます。

手軽に便利にそして美味しく安くを求める私たちは、使われている添加物が多くなっていることを知ろうともしません。本来は時間や手間をかけて作る食事が、同じような味で低コストで購入できるのには理由があります。時間や手間の代わりに化学物質が使われているのです。表示の期限に頼っている私たちは、臭覚や味覚の力が弱くなってきています。食材本来の美味しさに気づけないようになってきているのかもしれません。

農薬や添加物などは、毎日体に蓄積されるため、海外では大きな問題になってきています。日本では知ろうとする人もまだまだ少ないのです。

「見せかけの食事」と医療費にお金を使うという悪循環…

体に必要な栄養素は不足し、不必要なものを取り込むことが多くなり、体に蓄積させて新しい病気を作り、そして医療ビジネスの罠にはまっていきます。薬づけ、手術、入院で、本来の自分の体の力は低下する一方です。

おかしいと思いませんか?昔より医療技術は進歩しているのに病気がどんどん増えていることを…。

必要な分だけ購入し、植物や動物の命をありがたくいただくために自分で調理をする。それが本来の生きるための循環です。
味を濃くし見栄えを良くした「見せかけの食事」、ビジネスのために食べもしない食材を作り破棄していくことなんて、どこか本来の道からずれてきています。
便利だからと甘んじている私たちも問題です。儲けしか考えない仕組みにまんまとひっかかり、さんざんお金を使わされて病気になり、医療費にまたお金を使う…。悪循環の罠にはまってしまっています。

添加物入りの食品を皆が買わなければ減っていくはず

最近、近くのスーパーでは、添加物を極力少なくしたものが増えつつあります。価格は高くなりますが、その分、食べ過ぎないようにすれば良いと思います。私は、裏ラベルを見ながらスーパーで買い物をしますが、そういった人を見かけるようになりました。皆が買わないでおこうとすれば添加物が少なくなっていくはずです。

何かがおかしいと気づかなければいけないと思います。一人ひとりが不自然さに気づいていけば、世の中も変わっていくはずです。何も変えなければ、悪循環の世の中に同意していることになります。

苦しむのは、将来病気になる可能性が高くなる自分や子供たちなのです。

山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。