NO.41 【ブドウ糖果糖液糖(異性化糖)の危険性】
異性化糖とは、「デンプンを酵素又は酸により加水分解して得られた、主としてブドウ糖からなる糖液(コーンシロップ)を酵素又はアルカリにより異性化した果糖又はブドウ糖を主成分とする糖をいう」とウィキペディアには書かれています。
炭酸飲料、スポーツドリンク、アイスクリーム、ゼリー、ノンアルコールビール、たれ、などに使用されています。糖分の摂取制限をされている方は気をつけられているかとは思います。
このブドウ糖果糖液糖には、糖分を多く摂取してしまうという理由だけではない問題があります。
糖には「単糖類」と「二糖類」がある
糖には、どんな種類があるのでしょうか?
砂糖などは糖質と呼ばれ、大きく分けると「単糖類」「二糖類」があります。
二糖類は、二つの異なる分子がくっついているので、一つにしてからでないと吸収できないために吸収に時間がかかります。
単糖類は一番小さな分子になっているため、これ以上小さくならないためにすぐに吸収されます。吸収がとても早いということになります。
単糖類はグルコースやフルクトースなどと呼ばれます。
グルコースはブドウ糖、フルクトースは果糖に当たります。
果糖はとても甘味が強く、お米やパンなどに含まれるブドウ糖は、果糖の70%くらいの甘さです。
ブドウ糖は私たちのエネルギー源になり、必要な糖質です。ブドウ糖は血糖値をすぐに上昇させ、体内のエネルギーとして即座に利用できます。
インスリンを分泌して、血糖値があがるために満腹感も感じます。
逆に果糖はインスリンを分泌しないために、血糖値を上げません。
ただ、満腹感をあまり感じにくいため食欲が抑えられずに摂取し過ぎる可能性もあります。
ブドウ糖は、吸収後血糖として全身に運ばれ、上昇した血糖値に対してインスリンが分泌されて余った分が体脂肪として蓄えられます。
果糖は、ほとんど肝臓で代謝され血糖値を上昇させませんが、吸収が早いために余った分をすぐに中性脂肪として蓄えてしまいます。
人工甘味料の原料とは?
天然の成分は合成のものとは違い、体への働きも穏やかになるため、天然のブドウ糖や果糖には大きな問題はありませんが、合成で作られたブドウ糖果糖液糖(異性化糖)に問題があるのです。
ブドウ糖果糖液糖(異性化糖)は、ブドウ糖をより甘味の強い果糖に異性化させることによって甘味をより強めています。
トウモロコシやジャガイモ、あるいはサツマイモなどのデンプンを、変化させてブドウ糖果糖液糖(異性化糖)を作っています。
工業製品であるので多量に作ることができ、甘味がさらに強くなることからコスト減につながり、色々な製品に使用しやすくなります。
原材料のトウモロコシなどは輸入されたもので、85%以上が遺伝子組み換えです。
トウモロコシの表示義務がなく、製品にはブドウ糖果糖液糖などと表示されているだけです。
異性化糖製品は糖化を促進する
アスパルテームなどの人工甘味料が体に良くないといわれますが、それと同じように異性化糖製品も同じように長期摂取では体や脳に影響があると指摘されています。
糖化という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、それを促進させる可能性が高いと考えられています。糖化は、余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象で、老化を促進するといわれています。
もちろん、お肌のシミやくすみ、たるみなどといった見た目の老化だけでなく、動脈硬化、白内障、アルツハイマーなどといった病気にも結び付く可能性が非常に高いとされています。
アメリカでは使用禁止運動が活発だが、日本では…?
アメリカでは使用禁止運動が活発ですが、相変わらず日本ではそういった現状を知らされることもなく、どんどん使用されているのです。
日本人は知らされないことが多く、販売しているのだから大丈夫だろうと考える人があまりにも多いと思いますね。
手軽さと安さを売りに、食品会社も低コストの原材料を次々考えていきます。
利権が働くのか、一度認められた原材料は、問題があったとしてもなかなか後から禁止されることはありません。
アメリカのように、不売運動や使用禁止運動が起きることも日本ではほとんどなく、鵜呑みにしたまま使用し続けて病気になり、医療費を払ってそれを治療するという悪循環につながっています。
自分の健康は、もっともっと自分が気をつけるべきですね。
山田有希子(薬剤師・サプリメントアドバイザー・ナキュア代表)
薬科大学卒業後、薬剤師や美容アドバイザーなどを経て2001年
サプリメントショップを開業。個人顧客からメーカー企業まで幅広く事業を展開。
日本ニュートリション協会会員。