どこまで知ってる?添加物
何年か前に流行った『買ってはいけない』シリーズ本。
読まれた方も多いのでは?
あの過激な内容は賛否両論をよびましたが、私たちが肌につけるもの、口に入れるものの害を真剣に考える良い機会を与えてくれたのではないでしょうか。
でも、味噌や豆腐など伝統的な食品はもちろんのこと、ビールやサラダ油だって食品添加物を使わなければうまく作ることができないのです。
添加物全てを悪者にして否定する必要はありませんが、本来の目的と、それが身体に及ぼす影響について、サプリメントアドバイザーとしては知っておきたいですね。
そこで、今回はそんな食品添加物についてご紹介したいと思います。
添加物の歴史
添加物の始まりは、人類の食の歴史といっても過言ではありません。
獲物を捕らえ、その場で食べてしまう時代から、食物を保存することを覚えた時、保存料としての添加物がスタートしたのです。
古代エジプト人は岩塩を食品の保存に使用しました。
中国で豆腐作りを始めた時にはにがりが利用されています。
さらに、酵母を使ってパン、ワイン、ビールを作るようになったのも紀元前3000〜4000年頃にまで遡ると言われています。
つまり、食品を保存したり、作ったり、加工したりする時に使われるものを食品添加物というのです。
とはいえ昔の添加物は、天然の物質を生活の知恵として使用していたため、決して不自然なものではありませんでした。
ところが科学技術の進歩に伴い、物質の有効成分だけを取り出して食品添加物として使用するようになりました。
さらには有効成分が化学的に合成できるようになったことで、大量の食品添加物が製造されるようになった頃から身体への問題が叫ばれ始めたのです。
添加物の種類
ここ数年、大きな流れとなっている健康志向を牽引しているのが食の世界。
ところが皮肉なことに、相次いだ精肉業者の不祥事や、狂牛病対策による輸入牛肉問題など、食の安全に対する不信感がどんどん高まってきています。
今後は信頼あるトレーサビリティが、いっそう注目されていくことでしょう。
そんななか、これからますます求められていくのが、ナチュラルな食品。
私たちは、生活の利便性を重視するばかりに、保存のきく便利な加工食品を大量に消費してきました。
そのため、アレルギーが蔓延し、栄養の偏りによる様々な弊害が発生してきたのです。
食品添加物は、目的別に用いられ、その種類と用途は多岐にわたります。
食品を形作る凝固剤や膨張剤、プリンなど独特の食感を持たせるゲル化剤や安定剤、見た目をおいしそうにする着色料や漂白剤、旨みや甘み・栄養成分などを補う時に加える甘味料・酸味料・調味料、品質保持に使われる保存料・殺菌料・酸化防止剤・防かび剤などです。
スナック菓子はもちろんのこと、コンビニやスーパーで売っているお弁当やおにぎり、菓子パン、ソーセージや練り物等にもたくさんの添加物が使用されています。
その種類は代表的なものだけで40種類以上!つまり、添加物をとらない食生活は、全て自給自足でつくったものを食べるしかないほど実質的には不可能なのです。
砂糖より甘いけど健康には苦い!?
特に最近よく目にする添加物といえば人工甘味料。
砂糖に比べ、カロリーはかなり低く、ダイエットブームにのって日本にすっかり定着しました。
人工甘味料の歴史は、古くは戦時中に砂糖がなくなり、甘みをつけるために使われたサッカリンが有名です。
ところがその後、発ガン性が疑われ、サッカリンはいっきに衰退していきます。
そんな中、安価でサッカリン等に変わる人工甘味料として登場したのがアスパルテーム。
これは味の素で開発された人工甘味料で、ダイエットコーラなどにも入っています。
喫茶店でも、砂糖とアスパルテーム(パルスイート)と両方の小袋が用意されているところも結構見かけますね。
これらが身体に及ぼす影響はまだはっきりしていませんが、一部ではアスパルテームが、めまい、吐き気、胎児への影響や脳腫瘍の原因などとしている発表もあります。
その後、天然糖質であるトレハロース、ステビアなどが発見され、天然成分であるという安心感から人気が出ました。
トレハロースは昆虫や酵母などが体内で持っているブドウ糖と同じ糖の一種で、食品だけでなく化粧品や入浴剤などにも使用されています。
ステビアは植物由来で砂糖の約300倍の甘みがあるものです。
こうした食品添加物が全て身体に良くないとは一概に言えませんが、食品を口にすると否応無しに入ってきてしまう添加物という物質について、一人ひとりがしっかりとした知識を持つ必要性がありそうです。
食品添加物についてのリンク集
■無添加食品販売協同組合
http://www.mutenka.or.jp/index.html
本物の食品とは何かを考える人々が集まって誕生した、農林水産省認可の無添加食品販売協同組合のサイト。
添加物の歴史から、検査基準についてまで、大変詳しく掲載されていて、参考になります。
1日に、10g、種類にして約60種類、1年では約4Kg分の添加物を食べているという記述を見ると恐ろしくなるのは私だけでしょうか。
■日本食品添加物協会
http://www.jafaa.or.jp/
日本食品添加物協会(JAFA)は、日本国内で食品添加物を製造、輸入、販売、使用する企業及び団体によって組織されています。
このサイトではかわいいキャラクターのテンカちゃんが、わかりやすい言葉で食品添加物について説明してくれます。
■ 財団法人 日本食品化学研究振興財団
http://www.ffcr.or.jp/
食品添加物をはじめ、残留農薬、容器包装の安全性など、国内、国外の情報を収集整理して公開しているサイトです。
■YAHOO JAPAN セカンドライフ 健康と介護
http://secondlife.yahoo.co.jp/health/special/060531/page001.html
ご存知YAHOOの中高年向けサイト。
購入後にひと手間かけて食品添加物の摂取を減らす方法や、バターよりマーガリンが危険!など、生活に役立つ情報が掲載されています。
■食品添加物を調べてみよう
http://www.fcg-r.co.jp/additive/customer.html
フジテレビ商品研究所の食品添加物データベースです。
食品添加物を五十音順、用途別に検索できるシステムが便利ですよ。
■Gooヘルスケア ヘルシーウーマン
http://health.goo.ne.jp/column/woman/supple/0007.html
当協会サプリメントアドバイザーとして活躍中の中元千鶴さんの連載コーナー。
甘味料、砂糖、それぞれの特徴をご紹介しています。
■Science@Suger
http://www.sugar.or.jp/sp/200406-07/0202.shtml
砂糖を科学する会のホームページです。
甘味料の種類と特徴を天然、人工に分けて、わかりやすく掲載しています。
プロフィール
- 木須陽子(きすようこ)
- 企業名:日本ニュートリション協会公認サプリメントアドバイザー株式会社シャンドゥルール 代表
北海道出身 双子座
大手チェーンストアでバイヤーを経験した後、美容関連企業でマーケティング、企画編集を行う。
雑貨ショップにてバイヤー兼ショッププロデュースの経験を経て独立。
2006年、株式会社シャンドゥルールを設立。
美容、健康、暮らしの分野に特化したデザインコンサルタント事業と、サプリメント、フラワーエッセンス、ホメオパシーを中心としたウエルネス事業を柱に、ココロとカラダのキレイをトータルプロデュースしている。
2005年日本ニュートリション協会公認サプリメントアドバイザー取得
QVCテレビ出演(資生堂薬品)