【医者の立場から見たサプリメント】
日本ニュートリション協会では、健康分野の著名人の講演会や会員様同士の情報交換の場としての交流会など、アドバイススキル向上には欠かせない機会を提供しています。JNF会員の方は無料でご参加いただける毎年恒例の勉強会です。
2006年3月24日(金曜日)「サプリメントアドバイザー交流会2006」が東京ビックサイト近くの東京ベイ有明ワシントンホテルで開催されました。当日はビックサイトで毎年恒例の「健康博覧会2006」が開催されておりまして、この日このエリアは正に日本のサプリメントのメッカに変貌したと言っても過言ではありませんでした。
交流会の会場には60名程のメンバーの方が集まりました。理事長一楽智也から協会の現状とアメリカにおけるサプリメント市場に関する最近の傾向などが報告されました。アメリカでは食品(食材)にサプリメントを添加する傾向が顕著でオレンジジュースやチョコレート、バターなどにミネラルやビタミン、カルシウムなどを加え本来食品のもつ栄養との相乗効果をセールスポイントにしているようです。たとえば従来であればバターを取りすぎるとコレステロールが溜まるなどの障害が起こるのでバターを控えている人が多いのですが、逆にバターを取れば取るほどコレステロールが下がる、と言った具合です。その他オーガニックやホールフーズの現状も報告されました。
さて恒例の基調講演は稲毛病院の整形外科健康支援科の佐藤部長先生にお願いいたしました。佐藤先生は医師でありながらサプリメント摂取の重要性を説いていらっしゃる方で、各方面から多くの支持を得られており、次代の新しい医療のあり方を提示されています。
今回の参加者も佐藤先生との懇談が目的といった方も多く見受けられました。
まず先生はサプリメントと薬品の概念をしっかり認識することがた大切であると切り出しました。サプリメントの効果(効き目)に対する過度の期待は、薬品の効き目と混同するしアドバイスを受ける側も誤解を生じてサプリメントの摂取を間違う恐れがある事、サプリメントの概念は当初海外でも薬品と同様の効果を謳った時代があったため海外の情報を鵜呑みにしてはいけない事など、我々が陥り易いポイントを理論的に指摘されました。
更に最近の欧米における日本食ブームについて日本食の利点を一番認識しているのは日本人ではなく欧米人であること、如何に日本食が理想的な栄養バランスが取れた食事なのか、日本人の食事が欧米化してかなり栄養バランスを欠いていることをご指摘されました。その上で先生が経験された多くの臨床例やデータから3000年を経た日本人の食生活には日本人の栄養摂取の方法がある事を強調、長い年月を経た日本人の体のメカニズムと欧米人との違いを認識した栄養摂取の方法を解説されました。日本古来の発酵食品の知恵と栄養バランスなどにも触れ、欧米人に比べ、日本食の当事者である日本人の認識が一番不足している現状を強調されました。最後に「東洋の栄養に関する経験と西洋の栄養学の理想的な融合は日本人である我々しか実現できない」と締めくくり、その最前線にいるサプリメントアドバイザーの役割が如何に重要であるかを話され、日々勉強が必要であること、新しい情報に如何に敏感であるかの重要性をアドバイスしていただきました。
その後先生や理事長などを交えた懇親会を会場で行い、約2時間半の交流会を終えました。事務局としても毎回参加されるメンバーの満足された顔や意見を見聞きする協会のやるべき事の責任を痛感するイベントでありました。